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ハンズ通信2021年3月

訪問看護師になったのは

 

新米訪問看護師です。

私は、以前10数年間、クリニックで働いていました。
そのクリニックで、在宅診療に携わっていました。
在宅診療には、前はクリニックまで診察に来ていた方が、病状の悪化などで、診察に来られない方がいらっしゃいました。

そこでの、エピソードをお話しします。

 

精神疾患と内科疾患をお持ちの方でした。
内科疾患の悪化から足が不自由になり、在宅診療に切り替わる事になりました。

 

以前の受診時は、先生が冗談を言っても、私たちが声を掛けても、笑顔はなく、自分の意志も話してくれませんでした。

 

精神疾患での、内服治療もしていたので、仕方ないのか・・・でも、何とかしなければ・・と、筆談をしたり、話しやすい様に個室での対応にしてみたりと、様々な事をしましたが効果はありませんでした。

 

初回の訪問日、いつもと変わらず。ほぼ無口で、自宅でも変わらないんだ・・・と思ったのが正直な印象です。
しかし、その次の訪問では、笑顔で玄関を開けて下さりました。診察中もニコニコと表情が穏やかで、精神科での内服が変わったのかな?と病院に問い合わせても、変更はありませんでした。

 

次第に、自分の事を話してくれるようになりました、好きなアイドル、食べ物、自宅で困っている事、精神科の話。

先生も、こんなにおしゃべりさんだったかな?と言い出すぐらい。

 

私は、失礼を承知で、以前と表情など変わったのはなぜなのか聞いてみました。
患者さんは「通院時、体力的に行くのが辛かった。

みんな、笑顔で話しかけてくれているのに、申し訳ないけど、答える体力も無かった。

在宅に変えてからも、プライベートに踏み込まれてくるような感じで来るのかな、掃除しなきゃとか色々な抵抗があったよ。

でも、表情を見ながら、診察時間を短めにしてくれたり、看護師さんが興味のあることに話を振ってくれたりしてくれるからね」と言ってもらえて、病院では絶対に味わえない感動を覚えてハンズに入職をしました。

 

今でも、ありがとうや、また来てくださいと言われると、心に来るものがあります。

ここで、経験をつみ、利用者さんのお役に立てるように頑張っていきます。